fujimitsu
山瀬さん考案
熱中症予防! 夏の焼き野菜とサラダがジューシーの南蛮漬けすっぱ丼

熱中症予防!

夏の焼き野菜とサラダがジューシーの南蛮漬けすっぱ丼

  1. ボウルにつけダレを用意する。
  2. 豚肉は塩や料理酒(分量外)を入れた熱湯でさっと湯がいて火を通し、水気を切って①に入れる。
  3. フライパンにオリーブ油(分量外)を入れ、ヘタを取り 1cmの縦切りにしたナスと角切りピーマンを入れる。ピーマンはこげめがついてきたら取り出し、ナスは両面を焼いて食べやすい大きさに切り、ピーマンと共に①に入れる。
  4. フライパンにオリーブ油(分量外)を足し、ヘタを取り横2~3枚にスライスしたトマトとサラダがジューシーを並べて、中強火にかけて両面に焼き色がついたら共に取り出し、トマトは食べやすい大きさにカットして①に入れる。10分程度おく。
  5. 器にご飯を盛り、③の具材をのせ、刻んだパセリやすりごまをトッピングする。

【栄養解説総合】
暑さによるストレスなどで疲労が溜まっている時は特に、熱中症のリスクが高まります。疲労が溜まると体内機能が低下し、血行が悪くなったりする為、豚もも肉に豊富なビタミンB1(脂質の少ない肉の部位を指定しているのはビタミンB1の含有量が多い為です)や黒酢に含まれるクエン酸でしっかりと疲労を拭い去る努力が必要です。玉ねぎや長ネギは食材単体でも疲労回復効果が期待出来ますが、豚肉のビタミンB1と組み合わせることで疲労回復効果が持続。相乗効果に。ビタミンB1などを含むビタミンB群は夏場、たんぱく質と共に非常に不足しがちな栄養素です。また、冷房などによる寒暖差で「冷えバテ」が起こらないよう、夏場でも生姜(生の状態のジンゲロールや加熱した状態のショウガオール)、唐辛子(カプサイシン)などの香味野菜や香辛料を積極的に摂取するなどして血行を促し、温冷のバランスをとったり、食欲増尊効果で食欲を落とさない努力も必要。辛さなどの刺激で汗腺に活力を与えましょう。

熱中症対策には水分補給とたんぱく質、そしてカリウムやマグネシウムなどのミネラルの摂取も重要です。汗で喪失するミネラルはナトリウムだけではありません。水分保持や細胞内の脱水を防ぐカリウムも必要となりますが、トマトなどのみずみずしい夏野菜は夏場の水分補給に最適で、カリウムも網羅。よって旬の野菜を積極的に摂取すると必要栄養素を摂取出来るでしょう。

体温調節に欠かせないマグネシウムは、最後にトッピングとして利用したパセリやすりごまに豊富。サラダがジューシーや豚肉に豊富なたんぱく質には、たんぱく質を構成するアミノ酸の一種、アルブミンが含まれています。アルブミンは他のアミノ酸よりも血管内で水を保持する働きが大きいという特長があり、血管中の血液量や体内の水分量を調整し、血液の浸透圧を維持。食事などでアルブミンを含むたんぱく質を補うことで血管内の血液量が増え、暑さに負けない身体作りのサポートにも一役買ってくれます。

以上のように、今回利用させていただいた夏に主役となる旬野菜は、その季節の不調を促し、体調を整える効果が抜群。夏の体作りの救世主的存在といえるでしょう。

熱を加えれば冷えにも有効です。機能性成分であるフィトケミカル成分(植物化学成分=野菜の色や苦味、アク、香り成分のこと。このレシピではトマトの赤、ナスの紫、ピーマンやパセリの色鮮やかな緑など)を積極的に取り入れ、夏バテ予防対策の構成を組みました。

ナスのフィトケミカルを生かす(抗酸化物質)
夏の新救世主的存在。紫色素のナスニンはブルーベリーの野生種であるビルベリーに多く含まれるデルフィニジンの配糖体=デルフィニジンに糖がついたもの。青色アジサイと同じ構造部分を持つ。ナスニンには高い活性酸素除去作用があり、アントシアニン類の中でも特に強い活性を有する抗酸化物質。(抗がん作用、抗アレレルギー作用、脂質過酸化に対する防御作用、抗血管新生作用なども明らかに)
ナスニン (アントシアニン色素)=ポリフェノールは水溶性。クロロゲン酸=苦み=ポリフェノール(アク)水溶性。クロロゲン酸は空気に触れると茶色く変化する性質(酸化)=水につけると水溶性の栄養が抜け出てしまうので栄養の観点では勿体ない。アクを抜くとアントシアニン色素のナスニンやカリウムなどミネラルの栄養が流出してしまう。酸化を防ぐ為にも切ったら直ぐに調理。
クロロゲン酸(血糖値上昇抑制作用、血圧改善作用、抗がん作用、抗酸化作用が知られている)は油コーティングすることによってクロロゲン酸を味覚で感じにくい。(苦味を感じにくい)またナスには 2016年にコリンエステルという神経伝達物質が大量に含まれていることが分かっている。(その他の野菜の 1000 倍以上)交感神経活動抑制作用があり血圧を下げるという特徴が。消化器官を介して自律神経に作用。興奮を司る交感神経活動抑制効果があり血圧の上昇を抑え、リラックス(抗ストレス作用)させる効果も期待できる。(信州大、北海道情報大(株)ADEKA ら共同研 究グループが世界で初めてナス由来の成分による血圧改善、気分改善効果を実 証し、国際科学雑誌『Nutrients』で発表)

トマトのフィトケミカルを生かす(抗酸化物質)
トマトは強力な抗酸化作用を持つ夏のパワー野菜。リコピンは脂溶性で熱に強く吸収率を上げるためには油と一緒に加熱調理を推奨。リコピンの構造を「トランス体」(主に生のトマトに存在)から「シス体」(油と一緒に加熱することで変化)へ。トランス体よりもシス体の方が体内に吸収されやすい。リコピンはトマトの皮や種に豊富。湯むきするとリコピンを多く損失してしまうので栄養の観点では出来るだけ皮ごと摂取が◎。湯むきした場合は勿体無いのでその場で皮をつまんで食べると◎。赤色が濃いほどリコピンがたっぷり含まれている証拠。ゼリー部分はアミノ酸の宝庫。トマトのクエン酸やリンゴ酸などの有機酸は消化器系の機能調整に役立ち、ビタミンCも豊富。汗が滴りビタミンやミネラルが損失し易い夏の疲れの栄養、水分補給にも最適な食材。

ピーマン
野菜全般に言えることですが、ピーマンも皮の方に特に豊富なビタミンCとβカロテンが多い。苦味はポリフェノールのクエルシトリン+香気成分のピラジンが加わって出来たものであり苦味こそ栄養価の証。ピーマンの構造は繊維が縦、輪切りにしてしまうと栄養素が抜け出ていってしまう。余談ですが苦味が嫌いな方は乳製品を合わせると独特な香りを抑えることができると言われている。加熱しても栄養価はそのまま。油でさっと炒めることによりβカロテンの吸収率が上がる。ピーマンはわたやたねに栄養が多く含まれ何と皮の10倍。話題のピラジンはほぼワタにしか含まれず、血栓を防ぎ、脳梗塞や心筋梗塞などの予防となる為、血行を良くする効果を得たいなら丸ごと食べていただきたい。どうしても気になる方は、ピーマンの肉詰めからチャレンジするとタネやワタが気にならない。Cの含有量を上げたいのであればピーマンを赤パプリカにすると良い。(赤パプリカにした場合、ピラジンの効果は期待できなくなる)このように野菜は色で栄養価が異なる為、シチュエーションで選択していく。

亜麻仁油に豊富なオメガ3
活性酸素の分泌が増えるこの季節、とくに8月は、オメガ6脂肪酸などの新たに炎症を起こすような食材を控え、炎症を抑えるオメガ3脂肪酸を含む食材を取り入れると、炎症体質を脱することができる。活性酸素の標的とされる「細胞膜」はオメガ3脂肪酸を材料としているから。具体的には、神経伝達物質や赤血球、血管内皮細胞などの細胞膜の材料となり、血行を改善。暑さによるストレスによる活性酸素から身を守ってくれます。
黒酢
酢酸やクエン酸を含むだけでなく、ビタミン、ミネラルがたっぷり。アミノ酸の含有量が多いことが特徴。

生姜
今回は生のジンゲロールを利用。免疫調整力を高める。

 材料( 2人前 )

■サラダがジューシー(小)(1パック 62g)  ■ごはん 茶碗2杯分  ■豚もも薄切り肉(しゃぶしゃぶ用) 100g ■トマト 1個  ■ナス 1/2本  ■ピーマン 1/2個 ■パセリ、すりごま 適宜  ■【つけダレ(あらかじめ混ぜ合わせておく)】玉ねぎ(みじん切り)1/4個分  長ねぎ(みじん切り 5cm程度) 黒酢、醤油、水 各大さじ3  砂糖 大さじ2  あまに油orえごま油 大さじ1 赤唐辛子(小)1本 すりおろし生姜 お好みで

他のレシピを見る