野菜とスノークラブ かに風味かまぼこのゼリー寄せ
今回は超健康志向、ヘルシーなおつまみに寄せてみました!うま味の相乗効果で白だしを。グルタミン酸が多い構成になっていますので、イノシン酸が加わることで、スノークラブカニ風味蒲鉾の美味しさを後押ししてくれるでしょう。ブイヤベースも美味しいと思います。スノークラブカニ風味蒲鉾の容量を増やし、野菜量を減らすとより食べ応えは出ると思います。
【栄養解説】
野菜丸ごとには有用成分(化学物質)が数多く含まれます。老化予防、成人病予防、メタボ予防に対して、野菜などに含まれる化学物質が近年とくに再認識されています。植物由来化学物質ということでフィトケミカル、またはファイトケミカルと呼ばれますが、これは植物のラテン語の語源がphyto(フィト)で、それを英語式に発音するとファイトと発音しているのがファイトケミカルとなります。これにはフラボノイドやポリフェノール、あるいは数多くの多糖類も含まれ加熱によって初めて細胞が破裂してスープ中に溶け出し、腸管で吸収されるので生野菜より栄養価が上昇。昔から「ビタミンCは加熱すると分解するので野菜は生で食べましょう」と言われていましたが、それは実は結晶のビタミンCを蒸留水に溶かして加熱したときの話で、野菜丸ごとの加熱では、そのビタミンCはほとんど安定な型で残っていることも分かっています。野菜にはビタミンC以外に、通常あまり話題になっていないビタミンも緑色野菜には数多く含まれています。そのうちの葉酸やビタミンK、ルテインなども抗酸化作用、傷ついた細胞の修復や、抗炎症、がん予防、アンチエイジングなどの作用があり、今でもホットな研究テーマとなっています。
アスリートの夫を持つ我が家では、汗から流れ出た水分やビタミン、ミネラル、フィトケミカルを素早く取り戻すことのできるスープや鍋を練習後や試合後に食卓に出すことが多いのですが、具材を煮込むことで消化の良い状態になりできるだけ内臓に負担をかけず吸収をより促したいときにも最適。締めを雑炊にすれば、ポリフェノールやフラボノイド、カロテノイドなどのフィトケミカルに加え、エネルギー源となる糖質も摂取出来て栄養補給に抜群です。今回はそんな栄養を丸ごと冷やし固めました。スノークラブカニ風味蒲鉾とフィトケミカルのコラボレーションをどうぞ。
ミニトマト
リコピンは強力な抗酸化作用を持つパワー野菜。リコピンは熱に強く、吸収率を上げるためには加熱調理が◎。リコピンの構造を「トランス体」(主に生のトマトに存在)から「シス体」へ。トランス体よりもシス体の方が体内に吸収されやすく、リコピンは玉ねぎと一緒に加熱調理することで体内に吸収されやすいシス体への構造変化が促進されます。(玉ねぎを調理することによって生成される香り成分の「ジアリルジスルフィド」が促進成分の1つ)リコピンはトマトの皮や種に豊富。湯むきするとリコピンを多く損失してしまうので、できるだけ皮ごと摂取が○。ゼリー部分は、疲労回復効果や内蔵のエネルギー源となるアミノ酸の宝庫。トマトのクエン酸やリンゴ酸などの有機酸は消化器系の機能調整に役立ちビタミンCも豊富。汗が滴りビタミンやミネラルが損失し易いスポーツシーンや水分の補給にも最適な食材です
ピーマン
野菜全般に言えることですがピーマンも皮の方に特に豊富なビタミンCとβカロテンが多くなっています。苦味はポリフェノールのクエルシトリン+香気成分のピラジンが加わって出来たものであり、苦味こそ栄養価の証。ピーマンはわたやたねに栄養が多く含まれ何と皮の10倍。話題のピラジンはほぼワタにしか含まれず、血栓を防ぎ、脳梗塞や心筋梗塞などの予防となる為、血行を良くする効果を得たいなら丸ごと食べると◎。どうしても気になる方は、ピーマンの肉詰めからチャレンジするとタネやワタが気にならない。Cの含有量を上げたいのであればピーマンを赤パプリカにすると良い。(赤パプリカにした場合、ピラジンの効果はほとんど期待できなくなる)
玉ねぎ
硫化アリルを含み、抗菌作用、抗血栓作用、血糖値低下作用を持つ非常に優秀な野菜。ミニトマトのビタミンB1と反応してビタミンB1の吸収力や持続力を高めエネルギー代謝や疲労回復に役立つ。玉ねぎに含まれるケルセチンは、フラボノイドの中でも抗酸化作用や活性酸素の消去能力が特に強くストレス対策に役立つ植物化学成分。血管内皮機能を改善して動脈硬化を予防。
■スノークラブかに風味かまぼこ 4本 ■水 200cc ■タマネギ 1/4個 トマト 1個 ピーマン 1個 ■すだち・レモンなどのお好きな柑橘類 1個(レモンの場合は1/4個) ■白だし 大さじ1/2 ■ゼラチン 5グラム ■粗塩 適宜