fujimitsu
山瀬さん考案
サラミちくわ の祝いサラダ

サラミちくわ の祝いサラダ

  1. じゃがいもは皮ごと蒸して火を通し、熱いうちに皮をむいてマッシュする。
  2. ①に一口大(約 3㎝の乱切り)にカットしたサラミ入りちくわ、薄く輪切りにしたラディッシュ を加え混ぜ、更にオリーブ油、柚子の搾り汁、ナツメグを入れ、塩、黒こしょう で味を整える。※ちくわからサラミが抜けやすいので、大き目に乱切りをしてください。
  3. 器に盛り、ディルなどのハーブを散らしていくらを添える。

【栄養解説】
 理想はお正月(おせち)食材の王道、百合根と合わせたかったのですが、時期的に手に入らなかった為、今回はじゃがいもで代用。百合根(お節料理では梅花百合根を毎年します)鱗茎(りんけい)が花びらのように重なり合っていることから「歳を重ねる」あるいは「和合(仲が良いこと)」に通じるとされ吉祥の象徴とされている。また、重なり合った麟弁を子宝に見立て「子孫繁栄」の縁起を担ぐとも言われる。薬効に優れ「無病息災」を祈って食される。日本では西暦700 年頃には祭事で用いられていたという記録が残っており、万葉集などの歌集、日本現存最古の薬物辞典である本草和名などにも名前が記載される。

でんぷんが主成分でほっくりとした食感が持ち味。不溶性を上回る注目の水溶性食物繊維を含み、近年、話題の酪酸菌を育てる食材としても有効。栄養素ではミネラルの多さが際立ち、特にカリウム量が絶大。カリウムは細胞内にもっとも多いミネラル。人が生きていく上で最も基本的なミネラルの1つで、カリウムはナトリウムとペアで「ブラザーイオン」と呼ばれ、お互いに協力し合って働く。高血圧、ストレス負荷時、糖尿病、薬剤服用時などはカリウムを意識して摂ることが重要。滋養強壮、利尿、咳止め、産後の回復食などの薬理効果があるとされているのが百合根。

(百合根の代わりに使用しているじゃがいも)
Jリーガーの夫が先日、現役 24 年目のシーズンをケガなく無事に終えることが出来た。これまでグリセミック指数が高く直ぐにエネルギーになり、消化が良く、ビタミン、ミネラルのバランスの良いじゃがいもを試合前に出したことが本当に多かったように思う。じゃがいもの特に注目したい栄養価はビタミンC。レモンに匹敵するほどの含有量。でんぷんに守られている為、加熱しても栄養が壊れにくいのもポイント。また皮と実の間に栄養が凝縮。皮にはポリフェノールの一種、強い抗酸化力を持つクロロゲン酸がふんだんに含まれている。(クロロゲン酸はポリフェノールの一種。クロロゲン酸のダイエット効果が著名)調理時、皮ごと茹でればビタミンは9割キープ。更に水から茹でることで適度な水分を含みじわじわと加熱する為、甘くほっくり仕上がる。水から皮ごと茹でれば細胞壁を壊さず栄養を流出させずにすむ。

(ラディッシュ)
大根の一種でアブラナ科。解毒系の抗酸化物質のイソチオシアネートを含む。赤色色素は抗酸化力の高いアントシアニン色素。じゃがいものでんぷんを糖に分解し、その糖を体内に吸収する作用を助ける効果や消化を助けて胃腸の働きを
促す働きのある酵素、アミラーゼを含む為、是非、じゃがいもとラディッシュは組み合わせて摂取したい。今回、テーマ設定構成を考慮し、ラディッシュの葉は使用していないが、葉にも栄養価が非常に豊富。出来れば葉ごと使いたい。

(ディル Anethum graveolens L.)
古代から薬草や芳香剤、魔よけなどとして重宝。鎮静作用や消化作用を持つ。「なだめる」という意味の古代北欧語が語源とされ、欧州では赤ちゃんの夜泣き対策にディルの果実を使ったティーを用いる。柑橘類のような爽やかな香りとほろ苦さが特徴のセリ科のハーブの一種。栄養学的にではなく、料理研究家目線で1番使いたいハーブ。(おしゃれ、可愛い、美味しいから)欧米では家庭料理などにもよく用いられるポピュラーなハーブで、古くから親しまれており、日本には江戸時代に伝わってきた。魚介類との相性がよいことから「魚のハーブ」ともいわれ、スモークサーモンやホタテのマリネなどに使用。ビタミン B群、ビタミン C、カルシウム、カリウム、マグネシウム、葉酸などの栄養を含む。またオイゲノール(植物化学成分)などの香気抗酸化物質が豊富。血糖値を下げる効能もあるため生活習慣病の予防やアンチエイジング効果を期待したい方にも推奨。茎葉に含まれるモノテルペンやフラボノイドなどの化合物には、抗酸化作用があるほか病気の予防や健康増進などの作用がある。また茎葉に含まれる精油は、紙巻きタバコなどに含まれるベンゾピレンなどの発がん性物質を中和でき、細菌の増殖を抑制する効果もある。カイロ大学の糖尿病研究によると、オイゲノールの存在によりディルが血糖値を下げてインスリン値を正常化し、膵臓機能を助けることがわかっている。いくらとディル、ディルとじゃがいもの相性がとにかく良い。おもてなしに是非。

(いくら)
めでたさや豪華さを表す色鮮やかないくら。おもてなしやお節料理では角がない食材のため、1 年間を円満に過ごせるようにとの願いが込められる。赤色色素のア ス タ キサンチンは自然界に広く分布している天然の赤い色 素 。 サ ケ やエビ、カニ 、 い くらなどに多く含まれるカロテノイ ド の 一種 。 ト マトのリコピンや人参のβ-カロテンなどのカロ テ ノ イドは活性酸 素 を 消去する「抗酸化作用」をもつ成分とし て 注 目されているが 、 中 でも他を抜きん 出 た 強力なパワーをも つ ア スタキサンチンは 代 表 的 な 重 要 成 分 。 そ の 他、細胞の質を 良 く するオメ ガ 3 や細胞の大元となるたんぱく質も豊富。高級 食 材 だが 「 ハ レ の 日 」 に は 是 非 活 用 し た い。

(柚子 ミカン科 ) 血行促進、抗菌、消炎(専門分野の植物化学)
柚子には「運を呼び込むための厄除け」の意味があり、新年を迎えるための邪気を払う禊ぎであると同時に、血行促進、抗菌、消炎作用を持つため柚子湯に入ると「寒い冬の季節も風邪を引くことなく越せる」と言い伝えられ、体の調子を整える。香りが豊かで(ユズオール、ユズノン) ゆず=柚子=「融通がきく」 冬至=「湯治」。かぼちゃと共に冬至の日は欠かせない。香りが強いものには「邪気が起こりにくい」。長い年月をかけて実ることから「長年の苦労や努力がいつか実りますように」と願いが込められている。ビタミン C やビタミン E をはじめ、ミネラル類や有機酸、フラボノイド(ナリンギン=強い苦味、グレープフルーツに含まれる成分)モノテルペン類のリモネン、β-カロテン、ヘスペリジン、ペクチンなど様々な有効成分が豊富に含まれており、これらの成分は多くの健康効果、機能性がある。ミカン科の柑橘類の中でも一際明るい黄色の果実は、日本人の生活に馴染み深く、果皮や果汁は料理の香りづけや調味料として広く使われる。

(ナツメグ)
ナツメグといえば先ずはハンバーグ(ひき肉)、そしてじゃがいもだが、ほかにも肉料理全般、各種野菜料理など非常に用途は広い。焼き菓子などの甘いものにもよく合う。メースはその香味のおだやかさを生かして焼き菓子をはじめ
各種デザート類に、また飲みものやスープなどに使われる。ホワイトソースにもよく使用されている。

※小川基彦先生(国立感染症研究所)「抗新型コロナウイルス作用をもつメディカルハーブの探索」の学術発表を視聴しました。

これまでに他のウイルスに対して、抗ウイルス作用をもつことが報告されているメディカルハーブの新型コロナウイルスへの作用に対する効果を明らかにすることを目的に行われた研究で、効果が期待されるフィトケミカルによる処理による
新型コロナウイルスの感染抑制効果について評価し、結果としてオイゲノールに顕著な抗新型コロナウイルス作用が確認されたという報告。オイゲノールはクローブやシナモン、ナツメグといったスパイスなどにも多く含まれており、医薬品
だけでなく食品などへの応用も期待できる。

 材料( 2人前 )

■サラミちくわ 1本  ■じゃがいも   2 個(理想はお正月食材の百合根)  ■ラディッシュ  1 個 ■オリーブ油、いくら  各大さじ1~2  ■柚の搾り汁  小さじ2  ■ディル、ナツメグ、塩、黒こしょう  適宜

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